人間の体には多くの骨があります。
歯茎の中にも重要な役割を持つ歯槽骨という骨があるのです。
歯を支えているのは歯茎ですが、歯茎自体は柔らかい歯肉でできているため、実際には歯槽骨が支えています。
歯槽骨には具体的にどのような役割があるのか解説します。
歯槽骨の仕組み
歯槽骨は、内側が軟らかい骨である海綿骨になっていて、外側を緻密骨という硬い骨が覆う構造です。
外側の緻密骨の内側に海綿骨があることにより、外側で受けた衝撃を内側の柔らかい骨が受け止め、衝撃に強くなっています。
骨は出来上がってからずっと同じ細胞でできているのではなく、常に代謝を繰り返して新しい細胞と置き換わっています。
歯槽骨も他の骨と同様に代謝を繰り返し、古くなった骨は破骨細胞によって破壊され、骨芽細胞が新たな骨へと修復しています。
矯正治療は代謝のメカニズムを利用していて、歯に圧力を加えて刺激を受けたことで減った骨の場所に歯が移動し、空いた場所は骨芽細胞が新たな骨へと修復しているのです。
歯周病になると、歯茎で炎症が起こって破骨細胞が優位になってしまい、骨芽細胞の働きが落ち込むため、歯槽骨が減少してしまいます。
炎症を治すことで歯槽骨の喪失を止めることが可能です。
また、長く維持できれば骨芽細胞が優位になり、歯槽骨が回復します。
歯槽骨の仕組みの違い
歯槽骨は上顎と下顎で構造が異なっていて、上顎の方が緻密骨は薄くなっています。
特に上顎洞の近くは非常に薄く、海綿骨も少ないです。
上顎は鼻と近い場所にあるため、虫歯になって歯根の先端に膿が溜まった場合に、鼻の横や目の下が痛むことがあります。
特に犬歯に大きな虫歯ができたときは、注意が必要です。
下顎の歯槽骨は緻密骨が厚く、手足の骨に近い構造となっていて、身体とともに成長していきます。
緻密骨が厚いため、下顎の奥歯には薬の成分が届きにくく、麻酔注射をしても効果が出にくいでしょう。
歯はなるべく抜かない方がいいのですが、炎症が広がって治療しづらい歯を「痛くないから」と放置するのは避けましょう。
治療が必要になったとき、虫歯になった歯のせいで歯槽骨が失われて入れ歯が安定しなくなったり、インプラント治療ができなくなったりすることもあります。
まとめ
歯槽骨は歯を支えている骨です。
外側を硬い緻密骨が覆い、内側には軟らかい海綿骨が詰まっていて、硬さの違いによってクッションとなっています。
歯槽骨は、常に破骨細胞が破壊して骨芽細胞が修復するというメカニズムを繰り返していて、新しい骨に置き換わっています。
上顎と下顎では構造が異なり、上顎は緻密骨が薄く、下顎は緻密骨が厚いのが特徴です。
成城で予防歯科をお考えの際には、『Kデンタルクリニック成城』にご相談下さい。
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