妊娠中は、母体にさまざまな不調が起こることがあります。
不調の中には、妊娠中だけ発症する病気もあります。
たとえば、妊娠糖尿病も妊娠中だけに発症する病気の1つです。
妊娠糖尿病は歯にも大きな影響がある病気ですが、具体的にどのような影響があるのでしょうか?
妊娠糖尿病の歯への影響について、解説します。
妊娠糖尿病とは?
生活習慣病の一種として、糖尿病が挙げられます。
しかし、糖尿病とは別に、妊娠中だけ起こる妊娠糖尿病というものがあるのです。
妊娠糖尿病とは、どのような病気なのでしょうか?
妊娠糖尿病とは、妊娠している状態で初めて発見された糖代謝異常のことを指します。
一般的な糖尿病とは異なり、妊娠前から診断されている糖尿病や、妊娠中でも明らかに一般的な糖尿病と診断された場合には、妊娠糖尿病に含まれません。
血糖を下げる効果があるインスリンは、妊娠中に胎盤から分泌されるホルモンによって働きが抑制されてしまいます。
さらにインスリンを破壊する酵素が胎盤で作られるため、妊娠している間は血糖値が上がりやすくなり、妊娠糖尿病となります。
妊娠糖尿病になると、当然ながら高血糖になります。
高血糖になると、お母さんは妊娠高血圧症候群や羊水量の異常、網膜症や腎症などの発症や悪化、肩甲難産などの合併症が起こることがあります。
また、お腹の中にいる子どもにも、流産や巨大児、低血糖、多血症、心臓肥大、形態異常、黄疸、電解質異常などの合併症が起こる可能性があり、最悪の場合は胎児が死亡してしまうこともあるのです。
妊娠糖尿病と歯周病の関係
妊娠中は、妊娠性歯肉炎になることも珍しくありません。
妊娠性歯肉炎は、悪化すると歯周病になります。
実は、歯周病は妊娠糖尿病と深い関わりがあるのです。
歯周病は、糖尿病の合併症の1つといわれることもあります。
歯周病菌が血管に入って全身を巡ると、歯周病菌由来の悪玉物質が増えてインスリンの働きを阻害し、血糖が下がりにくい状態を作るのです。
また、妊娠糖尿病になって高血糖の状態が続くと、免疫機能が低下して歯周病が悪化しやすくなります。
歯周病を改善すると、血糖コントロールもしやすくなるのです。
まとめ
妊娠中に発症する妊娠糖尿病は、胎盤から分泌されるホルモンがインスリンの働きを阻害して血糖を下げるのを邪魔するうえ、インスリンを破壊する酵素を作り出すことで起こります。
高血糖になると、母体と胎児それぞれに合併症が起こる可能性があります。
また、妊娠中は歯周病のリスクが高まるのですが、歯周病は妊娠糖尿病を悪化させ、妊娠糖尿病は歯周病を悪化させます。
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