インプラント治療の際は、同時に歯肉移植術という手術も行うことがあります。
骨再生よりもイメージはわきやすいのですが、同時に移植ということで恐怖を覚える人も少なくありません。
歯肉移植術というのは、どのような治療なのでしょうか?
また、どのような効果があるのでしょうか?
歯肉移植術とは?
歯茎は、歯を支える歯槽骨を歯肉で覆っているところです。
歯周病になると歯槽骨が溶かされていくのですが、それだけではありません。
骨と同時に、歯茎も溶かされてしまうのです。
健康な歯の周囲には、歯磨きに耐えることができる硬い「角化歯肉」という歯肉が一定量存在しています。
これが失くなってしまうと、歯磨きが十分にできなくなってしまいます。
試しに、普段歯を磨くときの力で頬の内側の柔らかい部分に歯ブラシを当ててみましょう。
痛くて、磨くのは難しいと感じるでしょう。
この角化歯肉を別の場所から持ってくるというのが、歯茎移植術です。
有利歯肉移植術や、FGG(Free Gingival Graft)とも呼ばれています。
どこから持ってくるのかというと、自分の上顎の裏側から移植します。
上顎の裏側にある歯茎は丈夫で硬く、角化歯肉も豊富にあるため採取しても問題はないのです。
移植した歯茎は、しばらくすると周囲の歯茎と一体化します。
インプラントと歯肉移植術
インプラント治療で歯肉移植術を行うと聞くと、インプラントを支えるための歯肉が足りないのではないかと思う人もいます。
実は、それが目的ではないのです。
インプラントを埋入した周囲の歯肉に角化歯肉が少ないと、その部分を十分に磨くことができません。
そうなると、インプラントの周囲に汚れが溜まってしまいます。
インプラントの周囲に汚れが溜まると、インプラント周囲炎が起こってしまいます。
インプラント周囲炎はインプラントの歯周炎といわれるもので、放置しておくとインプラントが抜けてしまう可能性もあるのです。
そうならないように、インプラントはしっかりと磨かなくてはいけません。
歯肉移植術は、インプラントの周囲に角化歯肉を移植することでインプラントを磨きやすくするために行うのです。
まとめ
歯肉移植術は、歯茎の状態が悪く角化歯肉が不足している場合に行います。
角化歯肉が豊富にある上顎の裏側の歯茎から持ってくるので、影響はほとんどありません。
歯肉が不足していると歯を磨くのが難しくなり、インプラント治療を行った後であればインプラント周囲炎の原因となるため、移植しなければインプラントがすぐに抜けてしまう可能性もあるのです。
インプラントを長持ちさせるためにも、治療を受けるようにしましょう。
成城で予防歯科をお考えの際には、『Kデンタルクリニック成城』にご相談下さい。
患者様と向き合い、可能な限り歯を傷つけない治療法をご提案させて頂きます。
スタッフ一同、お待ちしております。